友達が集まる日の料理って、結局みんな何食べてるか覚えてないよね

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うちでパーティやるって決めた瞬間から、もう胃が痛くなるタイプの人間なんだけど。

料理を何にするか考え始めると、頭の中が真っ白になる。イタリアンにしようかなって思っても、パスタだけじゃ寂しいし、かといってリゾットまで作る気力はない。ピザを頼むのは楽だけど、それだと「手抜きって思われないかな」って変なプライドが邪魔をする。結局、中途半端に手作りと買ってきたものを混ぜることになって、キッチンが戦場みたいになるんだよね。友達を呼ぶ前日の夜、スーパーで生ハムとチーズの前をうろうろしながら「これ本当に必要か?」って自問自答してる自分がいる。

家族でやるパーティなら気楽なんだけど、友達が相手だとなぜか緊張する。母親は「そんなに気にしなくていいのに」って笑うけど、彼女は昔から人を招くのが得意で、冷蔵庫の残り物だけで5品くらい作れる人だから参考にならない。

当日の昼過ぎ、キッチンのテーブルには買ってきた食材が山積みになってる。オリーブオイルのボトルが光を反射してキラキラしてて、なんだか妙に高級感を演出してる気がした。でも実際は近所のスーパーで買った普通のやつ。トマトを切りながら、去年の夏に行ったイタリアンレストラン「ラ・ステラ」のことを思い出した。あそこのカプレーゼ、めちゃくちゃシンプルなのになんであんなに美味しかったんだろう。モッツァレラの水分量とか、バジルの鮮度とか、そういう細かいところなのかな。

友達が来るまであと2時間。

焦ってオーブンの予熱を始めたら、なぜか換気扇のスイッチも一緒に入れてしまって、キッチンが一気に騒がしくなる。料理してる感は出るけど、別に煙なんて出てないのに。ローストチキンを仕込みながら、サラダの準備もして、パンを温めて、ワインを冷やして…ってやってるうちに、だんだん何のために何をやってるのかわからなくなってくる。友達はきっと、コンビニのおにぎりでも喜んで食べるような人たちなのに、私は一体何と戦ってるんだろう。

玄関のチャイムが鳴ったとき、まだテーブルセッティングが終わってなかった。慌てて手を拭いて、エプロンを外して、鏡で髪をチェックして。ドアを開けたら、友達が笑顔でワインボトルを掲げてた。「お疲れ〜!」って言われて、なんかもう全部どうでもよくなった。

みんなが揃うと、キッチンの混沌なんて一瞬で忘れる。誰かが「これ美味しい!」って言ってくれると、さっきまでの苦労が報われた気がするけど、正直なところ、みんな料理よりも会話に夢中になってる。私が3時間かけて作ったラザニアも、スーパーで買ってきたチーズの盛り合わせも、同じくらいのスピードで消えていく。それでいいんだと思う。

夜が更けて、テーブルの上が空になった皿とグラスでいっぱいになる頃、誰かが「次はうちでやろうよ」って言い出す。私は心の中で「お願いします」って手を合わせてる。

パーティの後片付けをしながら、シンクに溜まった皿を見てると、なんだか達成感みたいなものがじわじわ湧いてくる。疲れてるはずなのに、なぜか嫌じゃない。洗剤の泡が手に触れる感触が妙に心地よくて、窓の外はもう真っ暗で、遠くで犬が吠えてる声が聞こえる。

結局、料理って何を作ったかより、誰と食べたかのほうが記憶に残るんだよね。来月また集まる約束をしたけど、そのときはもう少し肩の力を抜いてやろうって思ってる。

思ってるだけかもしれないけど。

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