
週末の夜、久しぶりに友人たちが集まる機会がやってきました。いつもの居酒屋やレストランもいいけれど、今回は誰かの家で韓国料理を囲んでワイワイガヤガヤと楽しもうという話になったのです。韓国料理といえば、その色鮮やかなビジュアルと、ちょっと辛い刺激的な味わいが魅力ですよね。テーブルを囲んで、みんなで同じ鍋をつつきながら笑い合う時間は、何にも代えがたい宝物です。
準備を始めたのは当日の午後。スーパーマーケットで買い物をしながら、友人たちとLINEで「何を作ろうか」と相談します。チーズタッカルビにしようか、それともサムギョプサルがいいか、はたまたキムチチゲで温まるのもいいかもしれない。結局、メニューは当日の気分で決めることにして、とりあえず豚バラ肉、キムチ、コチュジャン、チーズ、野菜をたっぷりとカゴに入れました。韓国料理の良いところは、材料さえ揃えば意外と簡単に本格的な味が再現できるところです。
家に戻って準備を始めると、早めに到着した友人が「何か手伝おうか?」と声をかけてくれます。こういう自然な協力体制が生まれるのも、韓国料理パーティーの魅力のひとつ。キッチンでは野菜を切る人、タレを作る人、お皿を並べる人と、自然と役割分担ができていきます。料理を作る過程そのものが、すでにパーティーの始まりなのです。
テーブルの上には、色とりどりの小皿が並びます。ナムル、キムチ、カクテキ、チャンジャ。韓国料理の醍醐味は、このバンチャン(おかず)の豊富さにもあります。メインディッシュが来る前から、これらをつまみながらおしゃべりが弾みます。「このキムチ、ちょっと辛いけど美味しいね!」「いや、これくらいがちょうどいいんだよ」なんて会話が飛び交います。
そして、いよいよメインのチーズタッカルビがテーブル中央のホットプレートに登場します。鶏肉と野菜をコチュジャンベースのタレで炒め、最後にとろけるチーズをたっぷりとかける。チーズが溶け始めると、歓声が上がります。「わあ、インスタ映えする!」と誰かがスマホを取り出し、みんなで写真撮影タイム。SNSにアップする前に、まずは熱々を味わいます。
箸を伸ばして、チーズと絡めた鶏肉を口に運ぶ瞬間。ちょっと辛いタレの刺激と、まろやかなチーズのコンビネーションが絶妙です。「辛い!でも美味しい!」「もう一口食べたくなる味だよね」と、みんなの顔がほころびます。辛さで汗をかきながらも、箸が止まらない。これが韓国料理の魔力です。
ワイワイガヤガヤとした雰囲気の中、話題は仕事のこと、恋愛のこと、最近見たドラマのことへと広がっていきます。美味しい料理を囲むと、自然と心が開いて、普段は話せないような深い話もできるものです。「実は最近、転職を考えていて」という友人の告白に、みんなが真剣にアドバイスをする場面も。こういう時間こそが、友情を深める大切な瞬間なのかもしれません。
一皿目が空になると、すぐに次のメニューの準備が始まります。今度はキムチチゲを作ることに。豚肉とキムチ、豆腐をたっぷり入れた鍋がグツグツと煮えてくると、部屋中に食欲をそそる香りが広がります。「このスープ、ご飯にかけて食べたい!」という声に応えて、炊きたてのご飯も登場。キムチチゲをご飯にかけて食べるクッパスタイルは、韓国料理好きにはたまらない食べ方です。
ちょっと辛い料理を食べながら、冷たいビールやマッコリを飲む。この組み合わせが、また最高なのです。「辛いものを食べると、なんでこんなに幸せな気分になるんだろうね」と誰かが言うと、「エンドルフィンが出るからだよ!」と別の友人が答えます。科学的な根拠はともかく、確かに韓国料理を食べていると、心から楽しい気持ちになるのは事実です。
デザートには、韓国スイーツのホットクを用意しました。外はカリッと、中はモチモチで、黒糖シロップがとろける甘さ。辛い料理の後の甘いデザートは、口の中をリセットしてくれる魔法のようです。「お腹いっぱいだけど、これは別腹だね」と笑いながら、みんなでホットクを分け合います。
気づけば時計は深夜を指していました。でも誰も帰ろうとしません。韓国料理を囲んだこの時間が、あまりにも心地よくて、まだまだ話し足りないのです。「次は何を作ろうか?」「今度はサムギョプサルパーティーにしようよ」「いや、チーズトッポギも捨てがたい」と、早くも次回の計画が持ち上がります。
友人たちと過ごす時間は、どんな高級レストランでの食事よりも価値があります。そして、韓国料理というのは、まさにこういう「みんなで囲む」スタイルに最適な料理なのです。ちょっと辛い刺激が会話を盛り上げ、ワイワイガヤガヤとした雰囲気を作り出してくれる。シェアして食べるスタイルが、自然と人と人との距離を近づけてくれる。これこそが、韓国料理パーティーの最大の魅力なのかもしれません。
帰り際、友人たちが口々に「今日は本当に楽しかった」「また集まろうね」と言ってくれました。美味しい料理と楽しい時間を共有できた満足感で、心が満たされます。次の週末が、今からもう待ち遠しくなるのでした。


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