家族キャンプの料理、失敗しても許される魔法みたいな時間

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キャンプ場で火をおこしながら、「これ、家でやったら怒られるよな」って思った。

娘が薪を投げ込むたびに火の粉が飛び散って、息子は「うわー!」って大げさに逃げ回る。普段の台所なら「危ないからあっち行ってて!」って即座に追い出すところなんだけど、ここではなぜか全員が火の周りに集まってくる。朝の8時すぎ、まだ少しひんやりした空気の中で、焚き火の熱だけが顔にじんわり当たる感覚。煙の匂いが服に染みついていくのも、なんだか心地いい。

家族でキャンプを始めたのは去年の秋からで、正直なところ最初は「面倒くさいな」って思ってた。準備も片付けも大変だし、寝袋で寝るのも腰が痛いし。でも料理だけは別だった。

いつもの夕飯なら、献立考えて、買い物して、30分で仕上げないとみんなお腹空いて不機嫌になる。品数も栄養バランスも気にしなきゃいけないし、「昨日と同じじゃん」なんて言われた日には本気でイラッとする。キャンプの料理は違う。カレーでいい。焼きそばでいい。ソーセージ焼くだけでもいい。誰も文句言わないし、むしろ「うまい!」って全員が言ってくれる。不思議なもんだよね、同じウインナーなのに。

前回、スキレットで作ったアヒージョが妙に好評で、妻が「これ家でも作れるじゃん」って言ったんだけど、絶対違うと思う。家のコンロで作ったら「油多くない?」とか「ニンニク臭い」とか絶対言われる…だけど。

失敗したこともある。初めてのキャンプで飯盒でご飯を炊こうとして、見事に焦がした。真っ黒。下半分が炭みたいになって、娘が「パパ、これ食べられるの?」って心配そうな顔してた。でもその焦げた部分を削って、上の方だけみんなで食べたんだけど、なぜかその時の味をいまだに覚えてる。美味しかったわけじゃない。むしろ芯が残ってたし、水加減も明らかに間違ってた。それでも息子が「冒険の味がする」って言ったのが忘れられない。

キャンプ場の売店で買った「フォレストマウンテン」っていう謎ブランドの調味料を使ったこともあったな。パッケージに「野外料理専用」って書いてあって、中身は普通のハーブソルトなんだけど、なんとなく特別な感じがして。結局、家に持ち帰ってからは一度も使ってない。あれ、今どこにあるんだろう。

料理を作りながら、子どもたちが勝手に手伝い始めるのもキャンプならではだと思う。家では「手伝おうか?」って聞いても「ゲームしてる」で終わるのに、キャンプだと自然に寄ってくる。野菜を切らせると、不揃いで分厚くて、正直使いづらいんだけど、それでも「俺が切った!」って得意げな顔するから、まあいいかってなる。

夜の料理が終わったあと、片付けもしないで焚き火の前でボーッとしてる時間が一番好きかもしれない。鍋やフライパンは水につけっぱなし。食器も適当に重ねてある。普段なら「早く片付けなよ」って妻に言われるところだけど、キャンプだと「明日の朝でいいか」ってみんなで先延ばしにする。この緩さ、たまらない。

火を見つめながら、息子が「次は何作る?」って聞いてくる。まだ今日の夕飯が終わったばかりなのに、もう次の料理の話。娘は「ピザ作りたい」って言うし、妻は「ダッチオーブンでローストチキンとかどう?」とか言い出す。

家に帰ったら、また普通の夕飯作りが待ってる。時間に追われて、効率優先で、文句も言われる。それでもいいかなって思えるのは、たぶんこういう時間があるから…なのかもね。

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