澄んだ空気と心地よい風が吹く週末の朝、私たち家族は待ちに待ったキャンプに出発しました。3歳の娘と6歳の息子は、車の中で早くもはしゃぎ始めています。妻は前日から準備した食材を丁寧に詰めたクーラーボックスを確認しながら、今回のキャンプでの料理プランを話してくれました。
キャンプ場に到着すると、まず場所取りと設営作業です。子どもたちは周りの自然に興味津々で、小さな虫や落ち葉を見つけては大騒ぎ。その間に私と妻で手分けしてテントを設営し、タープも張り終えました。設営が終わった頃には、お腹も空いてきた頃。ここからが、私たち家族の本当の楽しみが始まります。
アウトドア料理の醍醐味は、何と言っても火おこしから始まる一連の過程です。薪を組み、着火剤を使って慎重に火をつけていきます。息子は「パパ、僕も手伝う！」と言って、小さな薪を運んでくれます。火が安定してきたところで、まずは昼食の準備開始です。
今回の昼食メニューは、ダッチオーブンで作る絶品ローストチキンです。前日に下味を付けておいた鶏肉に、じゃがいも、人参、玉ねぎなどの野菜を加えていきます。娘は「お野菜は私が入れる！」と張り切って手伝ってくれました。蓋を閉めて炭火の上にセット。ダッチオーブンの良いところは、セットしてしまえば後はほったらかしでOKなところ。その間、家族でキャンプ場の散策を楽しみました。
1時間ほどして戻ってくると、辺りには香ばしい匂いが漂っています。蓋を開けると、ジューシーに焼き上がったチキンと、トロトロに煮込まれた野菜たちが顔を出しました。「わぁ！すごい！」と子どもたちの目が輝きます。テーブルに並べられた料理を前に、家族で「いただきます！」
午後は、子どもたちと一緒におやつ作りに挑戦です。今回用意したのは、簡単なスモアです。マシュマロを竹串に刺して焼き、それをチョコレートとグラハムクラッカーで挟むだけの簡単おやつですが、子どもたちには特別な体験になります。マシュマロが焦げないように真剣な表情で焼く息子と、「早く食べたーい！」とはしゃぐ娘。そんな姿を見ながら、妻と笑顔を交わします。
夕食の準備が始まる頃、空は夕暮れ色に染まっていました。今夜のメニューは、鉄板焼きと豚汁です。鉄板では、お肉や野菜を焼きながら、家族で一日の出来事を話し合います。焼きあがった食材を、みんなで取り分けながら食べる時間は、何よりも贅沢なひとときです。
豚汁は、キャンプならではの大きな鍋でゆっくりと煮込みました。具だくさんの豚汁は、外で過ごす体に染み渡ります。「おかわり！」という子どもたちの声に、親としての幸せを感じずにはいられません。
夜が更けてくると、焚き火を囲んで家族団らん。マシュマロを焼きながら、星空を見上げます。普段は見られないような満天の星空に、子どもたちは感動の声を上げています。この瞬間、都会では味わえない特別な時間が流れていることを実感します。
翌朝は、朝もやの中での朝食作りから一日が始まります。シンプルに、ホットサンドメーカーでの朝食です。パンにハム、チーズ、目玉焼きを挟んで焼き上げると、外はカリッと、中はとろ～りとした最高の朝食の完成です。温かいコーヒーと一緒に、清々しい朝の空気を楽しみながらいただく朝食は格別でした。
キャンプでの料理は、確かに手間がかかります。でも、その分だけ家族との思い出も深くなります。火を起こし、材料を準備し、調理して、みんなで食べる。その一連の流れの中で、子どもたちは自然と協力することを学び、食事の大切さを知っていきます。
片付けも家族全員で行います。使った道具を洗い、乾かし、しまう。この作業も、キャンプならではの大切な時間です。子どもたちも、自分の使った食器は自分で洗うようになりました。
帰り支度をしながら、次は何を作ろうかと家族で相談します。「次は手作りピザが食べたい！」「バーベキューがいい！」とリクエストが飛び交います。キャンプ場を後にする時、子どもたちは既に次回のキャンプを楽しみにしている様子。車に乗り込みながら、私たち夫婦も次回の料理メニューを考え始めていました。
キャンプでの料理は、決して便利とは言えません。でも、その不便さの中にこそ、かけがえのない家族の時間があります。火を囲み、一緒に料理を作り、同じ食事を分け合う。そんな時間の積み重ねが、子どもたちの心に残る大切な思い出となっていくのです。
季節が変われば、作れる料理も変わります。そして、子どもたちの成長とともに、できることも増えていきます。これからも、キャンプを通じて家族の絆を深め、思い出に残る料理の時間を大切にしていきたいと思います。さあ、次はどんな料理の思い出を作ろうか。家族で過ごすキャンプの時間は、いつも新しい発見と感動に満ちています。
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