
休日の午後、我が家のキッチンからは賑やかな笑い声と共に、香ばしいハーブの香りが漂っていました。今日は月に一度の恒例行事、家族総出でのイタリアン料理パーティー。私たち家族にとって、この日は特別な思い出を作る大切な時間なのです。
玄関のチャイムが鳴り、両親と妹家族が次々と到着。「今日は何を作るの?」と、甥っ子と姪っ子が興味津々な様子で台所を覗き込みます。今回のメインディッシュは、みんなで作るピザとパスタ。子供たちも参加できる料理を選んだのは、家族の絆を深める大切な機会にしたいという思いからでした。
まずは生地作りから。強力粉に塩、オリーブオイル、そしてイースト菌を溶かしたぬるま湯を加えて、みんなで順番に捏ねていきます。「おばあちゃん、こうやって捏ねるの?」と質問する孫たちに、母は優しく手本を見せながら教えています。家族で作る料理の時間は、世代を超えた技術の伝承の場にもなっているんです。
生地を寝かせている間、私たちはソースの準備に取り掛かります。完熟トマトをじっくり煮込み、バジルやオレガノなどのハーブで香り付けしていきます。父が「昔、イタリアに行った時に食べたピザの味が忘れられないんだ」と懐かしそうに話し始めると、自然と会話が弾みます。家族それぞれのイタリア料理にまつわる思い出話に、キッチンは笑顔で溢れていきました。
パスタ作りでは、子供たちが特に活躍。製麺機を使って生地を伸ばし、フェットチーネの太さに切っていきます。「わぁ、長くなった!」と歓声を上げる度に、大人たちも自然と笑顔になります。手作りパスタの醍醐味は、まさにこの瞬間を家族で共有できることかもしれません。
ピザ生地が発酵したところで、いよいよトッピングタイム。テーブルには、モッツァレラチーズ、バジル、オリーブ、サラミ、マッシュルームなど、色とりどりの具材が並びます。「私はマルゲリータにする!」「僕はたくさんチーズをのせたい!」と、それぞれが好みのトッピングで自分だけの特別なピザを作っていきます。
オーブンから漂う焼きたてのピザの香りに、みんなの期待は最高潮に。パリッとした生地の音、とろけるチーズの様子に「早く食べたい!」と、子供たちはソワソワ。待ち時間も、家族との会話を楽しむ大切な時間です。
テーブルには手作りのピザとパスタが並び、赤ワインやジュースを片手に、いよいよ食事の時間。「いただきます!」の声と共に、みんなで作った料理を分け合います。「このピザ、おいしい!」「パスタの食感がすごくいいね」と、感想を言い合いながらの食事は、何よりも幸せなひとときです。
デザートには、ティラミスとジェラートを用意。「私が作ったの!」と姪っ子が得意げに運んできました。コーヒーの香り漂うティラミスは、大人の間で特に人気。子供たちは colorful なジェラートに夢中です。
食事の後は、みんなでテーブルを囲んでのおしゃべりタイム。学校での出来事、仕事の話、昔の思い出話など、話題は尽きません。料理を通じて家族が集まることで、普段なかなか話せない話もできる。そんな特別な時間が流れていきます。
片付けも家族総出で。食器を洗う人、拭く人、しまう人と、自然と役割分担ができています。「次は何を作ろうか?」と、もう次回の料理パーティーの計画が始まっています。
イタリアン料理には「家族」という言葉がよく似合います。材料を準備し、作り、そして食べる。その全ての過程を共有することで、家族の絆はより深まっていくのです。今日作った料理の味は、きっと家族みんなの心に特別な思い出として刻まれることでしょう。
夕暮れ時、家族が帰っていく玄関先で交わされる「また来月ね!」という言葉には、次回を心待ちにする気持ちが溢れています。キッチンに残る心地よい疲れと共に、幸せな一日の終わりを感じながら、私は次の家族料理パーティーのメニューを考え始めていました。
料理を通じて育まれる家族の絆。それは時として言葉以上に雄弁に、私たちの心を温めてくれます。毎月のイタリアン料理パーティーは、単なる食事会ではなく、かけがえのない思い出を作る大切な家族の伝統となっているのです。次回は何を作ろうか、どんな笑顔に出会えるだろうか。そんな期待を胸に、また新しい料理の冒険が始まることを、心から楽しみにしています。

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