
週末の夜、久しぶりに集まった友人たちとテーブルを囲むとき、どんな料理を選ぶだろうか。イタリアン、和食、中華、選択肢は無限にあるけれど、最近私たちのグループで圧倒的な支持を集めているのが韓国料理だ。ちょっと辛い味付けが食欲をそそり、シェアしやすいメニューが多いから、自然とワイワイガヤガヤと盛り上がる。そんな韓国料理を囲む時間が、今や私たちにとって最高のリフレッシュタイムになっている。
先日も仕事終わりに「今日、韓国料理食べに行かない?」というメッセージが友人グループのチャットに流れた。即座に「行く行く!」「私も!」と返信が続き、あっという間に6人が集合することになった。予約した店は駅から少し歩いた路地裏にある、地元で評判のお店。扉を開けると、すでに店内は賑やかで、キムチチゲやサムギョプサルの香ばしい匂いが鼻をくすぐる。この瞬間から、もう気分は最高潮だ。
テーブルに着くなり、メニューを広げてあれこれ相談が始まる。「チーズタッカルビ食べたい!」「でもサムギョプサルも捨てがたいよね」「チヂミも頼もうよ」と、まるで作戦会議のように真剣な表情で議論する。結局、みんなでシェアできるようにと、チーズタッカルビ、海鮮チヂミ、トッポギ、そしてキムチチゲを注文することに決まった。飲み物はもちろんマッコリとビール。この組み合わせが、韓国料理をさらに美味しくしてくれる魔法のペアリングだ。
最初に運ばれてきたのは、色鮮やかなキムチやナムルが並ぶ前菜たち。「このキムチ、ちょうどいい辛さだね」と誰かが言うと、「ちょっと辛いくらいが一番おいしいよね」と別の友人が応じる。韓国料理の魅力は、この「ちょっと辛い」という絶妙なバランスにある。辛すぎて食べられないわけではなく、でも確かに刺激があって、一口食べるとまた次の一口が欲しくなる。その中毒性が、会話を弾ませ、箸を止まらなくさせるのだ。
メインのチーズタッカルビが鉄板で運ばれてくると、テーブルは一気に歓声に包まれた。ジュージューと音を立てる鶏肉と野菜、そしてその上にたっぷりとかけられたとろけるチーズ。店員さんが目の前で混ぜてくれる様子を、みんなでスマホを構えて撮影する。SNS映えする料理は、友人との思い出をより鮮やかに彩ってくれる。「いただきます!」の声とともに、それぞれが取り皿に料理を取り分け、一斉に口に運ぶ。甘辛いタレとチーズのまろやかさが絡み合い、思わず「おいしい!」と声が漏れる。
ワイワイガヤガヤと話しながら食べるスタイルは、韓国料理と相性抜群だ。一人で黙々と食べる料理ではなく、みんなでシェアしながら、「これ美味しいから食べてみて」「そっちのも一口ちょうだい」と交換し合う。この共有する楽しさが、食事の時間を単なる栄養補給ではなく、コミュニケーションの場に変えてくれる。仕事の愚痴、恋愛の相談、最近見たドラマの話題、笑い話から真面目な話まで、話題は尽きることがない。
海鮮チヂミが運ばれてくると、その大きさにまた歓声が上がる。カリッと焼かれた表面に、イカやエビがたっぷり入っている。酢醤油につけて一口食べれば、外はカリカリ、中はもちもちの食感が楽しい。「このチヂミ、家でも作れないかな」と誰かが言うと、「作り方調べてみようよ」と盛り上がる。韓国料理は意外と家庭でも再現しやすいメニューが多く、次回は誰かの家で韓国料理パーティーをしようという話にまで発展した。
トッポギの甘辛いソースは、ちょっと辛いけれどクセになる味わいだ。もちもちの食感が心地よく、ついつい箸が伸びてしまう。「辛いけど止まらない」「もう一個食べちゃう」と、みんな夢中になって食べている。辛さで汗をかきながらも、笑顔が絶えない。この「ちょっと辛い」という刺激が、日常のストレスを吹き飛ばしてくれるような気がする。
キムチチゲは、熱々の土鍋で運ばれてきた。ぐつぐつと煮えたぎるスープから立ち上る湯気と香りに、食欲がさらに刺激される。豆腐、豚肉、キムチが入ったこのスープは、体の芯から温まる一品だ。「このスープ、ご飯にかけて食べたい」という意見に、みんなが賛同してご飯を追加注文。締めの雑炊のように、スープとご飯を混ぜて食べる幸せ。これぞ韓国料理の醍醐味だ。
気づけば二時間以上が経過していた。テーブルの上は空いた皿でいっぱいになり、お腹も心も満たされている。「今日も楽しかったね」「また来ようね」と言いながら、会計を済ませて店を出る。外の冷たい空気が、火照った体に心地よい。帰り道、「次はどこの韓国料理屋さんに行く?」という話題で盛り上がりながら、それぞれの家路についた。
韓国料理を囲む時間は、ただ美味しいものを食べるだけではない。友人たちとワイワイガヤガヤと語り合い、笑い合い、時には励まし合う、かけがえのない時間なのだ。ちょっと辛い料理が、日常の刺激となり、明日への活力を与えてくれる。忙しい毎日の中で、こうして集まれる時間を大切にしたいと改めて思う。次回の韓国料理の約束を心に、また日常に戻っていく。友達と囲む食卓は、何よりのご馳走だ。


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