【二人で作る】スパイシーなカレーライスで始まる素敵な週末。初めての料理で見えた新しい一面

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休日の朝、いつもより少し早起きをして、彼女を迎えに行った。今日は二人でカレーライスを作る約束をしていた。スーパーマーケットで材料を買い込み、私のアパートのキッチンへと向かう。普段は一人で使っているキッチンだが、今日は特別な日だ。

「私、包丁を持つのが苦手なの」と彼女が少し恥ずかしそうに告白する。その言葉に、私は思わず微笑んでしまった。「大丈夫、一緒にゆっくり作っていこう」と答える。実は私も料理の腕前はそれほどではないが、カレーライスだけは自信がある。父から教わった秘伝のレシピを、今日は彼女と一緒に作れることが嬉しかった。

まずは野菜の下準備から始める。玉ねぎ、にんじん、じゃがいも。彼女は少し緊張した様子で包丁を持つ。「こうやって持つんだよ」と後ろから手を添えながら教える。彼女の髪から漂うシャンプーの香りに、少し心臓が高鳴る。玉ねぎを切る時、彼女が涙目になるのを見て、二人で笑い合う。

「スパイシーなカレーが好きなの?」と彼女が尋ねる。「うん、でも今日は二人で食べるから、程よい辛さにしようか」。スパイスを計量しながら、私は父から教わった黄金比を思い出していた。ガラムマサラ、クミン、コリアンダー。それぞれのスパイスを丁寧に計り、フライパンで軽く炒める。キッチンに広がる香ばしい香りに、彼女が目を輝かせる。

玉ねぎをじっくりと炒めていく。「あめ色になるまでが大事なんだ」と説明しながら、彼女と交代でフライパンを振る。彼女の手つきが次第に慣れていくのを見るのが楽しい。時々、肩が触れ合う度に、何となく照れくさい空気が流れる。

具材を炒め終わり、ルーを溶かし始める頃には、二人の息もぴったりと合っていた。「ちょっと味見してみる?」とスプーンを差し出すと、彼女は嬉しそうに頷く。「美味しい!でももう少しスパイシーでもいいかも」。その言葉に驚きながらも、二人で相談しながらスパイスを追加していく。

炊飯器から立ち上る湯気と、グツグツと煮込まれるカレーの香りが部屋中に漂う。窓から差し込む陽の光が、調理台に温かな明るさを投げかける。彼女がエプロンを着た姿は、いつもと違って新鮮で、何度も見とれてしまう。

「実は私、こうやって一緒に料理するの初めて」と彼女が告白する。「私も」と答えながら、この時間が特別なものに感じられた。普段見られない表情や、新しい一面を発見できる。料理って不思議だ。

完成したカレーライスを二人分よそう。彼女が作ってくれた付け合わせのサラダも添えて、ようやく食卓に着く。「いただきます」の声が重なり、最初の一口を口に運ぶ。

「美味しい!」という彼女の声に、胸が温かくなる。確かに、いつも一人で作るカレーより何倍も美味しく感じる。スパイスの効いた深い味わいに、二人で作り上げた達成感が混ざり合う。

食事をしながら、次は何を作ろうかと話が弾む。パスタや、ハンバーグ、はたまた本格的な和食まで。料理を通じて、将来の約束が自然と増えていく。窓の外では夕暮れが近づき始めていた。

食後の後片付けも二人で行う。彼女が洗い物を、私が拭き取りを担当する。狭いキッチンで肩を寄せ合いながら、今日一日の出来事を振り返る。最初は緊張していた彼女の手つきも、今では随分と慣れた様子だ。

「また作りたいね」という彼女の言葉に、心の中で密かに喜ぶ。一緒に料理をすることで、会話も自然と増え、お互いのことをより深く知ることができた気がする。

キッチンを片付け終わり、リビングでくつろぐ頃には、外は完全に日が暮れていた。カレーの香りが残る部屋の中で、二人でゆっくりとお茶を飲む。普段の休日より、何倍も充実した時間が流れていく。

「次は私の家のキッチンでも作ってみたいな」と彼女が言う。その言葉に、また新しい楽しみが増えたことを実感する。料理を通じて、二人の関係がまた一歩深まったように感じられた。

最初は不安だった二人での料理。でも実際にやってみると、こんなにも楽しく、心が温かくなる時間になるとは思わなかった。スパイシーなカレーの味と共に、この特別な一日の思い出が、しっかりと心に刻まれていく。

これからも、二人で少しずつレパートリーを増やしていけたらいいな。そんな願いを胸に、私たちの料理の時間は続いていく。キッチンという小さな空間で、二人の大きな思い出が、また一つ増えた休日の夕暮れだった。

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